Bitter&Sweet




許されない想い

叶わない願い

殺さなきゃいけない感情



膝に置いた手紙に視線を落とし黙り込むと



「姫!」



脇に色とりどりのチューリップやパンジー、ビオラが咲く中庭の道



春の日差しを受けた白衣の白がとても眩しい



お兄ちゃんが私を見つけて歩いてきた



「なんだ、こんなところでお昼ごはん?」



私の前に立って


「しかもジャムパンだけ」って苦笑いをした



私はベンチに座ったまま



お兄ちゃんを見上げて



………なんで私は この人が好きなんだろう



優しいから?信頼できるから?



それは兄として当然なのに



どうして恋愛感情を持ってしまったんだろう



何も言わずに ただ お兄ちゃんを見つめたら



「なに?」ってお兄ちゃんは首を傾げた



「なんでも………」

なんでもないよ
そう言おうとした時


隣に座ってた本郷先生が


「キミの妹、ラブレターもらって喜んでたよ、今。」



「えっ?」


お兄ちゃんが驚いた表情をして


「ちょっと!本郷先生っ」


余計な事を言うなぁ~~