狭いワンルームに1人帰る
身体が というより
精神的に疲れて
バッグを床に放り投げ
ベッドにうつ伏せで寝転んだ
不規則な仕事だし
一緒に暮らしてた時だって
いつも一緒にいたわけじゃない
だけど あの部屋には常に
お兄ちゃんの匂いや
気配があった
1人が こんなに寂しいなんて
知らなかった
忘れようと思えば思うほど
気持ちが募るのは
どうしてなの?
許されないって
叶わないって
わかってるのに
……お兄ちゃんに会いたい
ゴロリ寝返りうって
目に入る
壁に貼ったカレンダー
もう少しでお兄ちゃんの誕生日
……妹だもん
兄の誕生 祝ったって
おかしくないよね?
その心の裏に
言えない想いが隠れてても
お兄ちゃんの心に
他の誰かがいても
こうしちゃいられない
ガバリッ
ベッドから起き上がり
バッグ掴んで また出かける
働いてからも
お兄ちゃんのスネかじりで
(生活費お兄ちゃん
受け取ってくれないんだもん)
貯金は意外とあるんだ。
バースデープレゼントを
買いに行こう



