カタン………
屋上に誰かが来た
顔を上げ、行こうとすると
「鈴木…先輩」
青白い顔色した
吉田 静香だった
どうして
こう会いたくない人ばかり……
目を見開きオレを見る吉田を放って出口へ足を踏み出すと
「…………あ……」
吉田が急にその場にうずくまる
先ほど見た顔色が頭をよぎり
また具合悪いのか?と
うずくまる彼女の肩に手をおき
「大丈夫ですか?」
すると
「…くっ、…くっく…」
吉田の肩が震え
「ジョーダンですよ
いくらなんでも、そんなに あなたの前で具合悪くならない」
眩しそうに目を細めオレを見つめ立ち上がった
からかわれたのがムカついて
「そう」と言い また屋上を出ようとするオレの背中に
「……結婚するんですか?
先輩………」
薬剤部にまで噂が?
ここの病院スタッフ皆 暇人か?
「あなたには関係ない話では?」
冷たい視線を送ると
吉田はフェンスに寄りかかり
白衣のポケットから
タバコを出した
「敷地内 禁煙ですよ」
「固いこと言わないでよ」
タバコをくわえ火をつけ
深く吸い込み煙を吐き出す
タバコの匂いが嫌いで思わず露骨に嫌な顔をした



