だったら、なんで鈴木のお母さんが美紅さんを知ってるの?
「母さん。どうして その話…」
『美紅さんが家にいらしたのよ』
え~?
『翠が生まれ育った所を見たかったって言って』
「か、母さん…オレは…」
『可愛らしい、いいお嬢さんじゃないの
―――――――それに』
それに?
『―――――翠と南ちゃんのことも理解してくれてるって』
………お兄ちゃんと私のこと?
それって どういう意味?
お兄ちゃんの顔を見上げると
―――――――お兄ちゃん?
お兄ちゃんは表情を失い
呆然としてた
『翠と南ちゃんが そうなったのは、真実を隠してた私達にも責任があるし
すごく心配してたし……』
鈴木のお母さんは
一体 何を言ってるの?
『せっかく南ちゃんが全てを忘れて、普通の兄妹になれたんだから』
せっかく?
全てを忘れて?
普通の兄妹?
何?何の話?
『翠も いつまでも引きずらないで変わらなきゃね?』
呆然としてた
お兄ちゃんの表情は
だんだんと哀しげに変わる
『美紅さんは 過去も全部受け入れるって
良かったわね。
いい人に出逢えて―――――――――――』



