Bitter&Sweet




「ちょっと!失礼すぎるからっ」


私は怒って
アイロンのスイッチを切り


ボスンッて
お兄ちゃんの隣に座って


「ここにいるでしょっ
兄想いの可愛い妹がっ!」


そう言ってグーでポカポカ
お兄ちゃんの胸をたたく



「あははっ
ごめんなさい、お姫さま」


パシッて両方の手首を掴み


私の顔をのぞき込んだ



―――――――ドキンッ



「いた、いた。見つけたよ

可愛いくて、優しくて、ちょっと…いや、かなりドジな」



かなりドジは余計だけど



お兄ちゃんの顔がすごく近くて


私の心臓はバクバク破裂寸前



「そして、すごく鈍感な
我が妹君」



「ど、鈍感?」



お兄ちゃんは笑いながら
私の髪を優しく撫でた



ドキドキドキドキドキドキドキドキ



お兄ちゃんの指が
私の髪を滑り落ちる度


酸欠になりそうなほど
ドキドキしたけど



「ドジと鈍感って
私の事けなしてる」


唇とがらせて
上目遣いに抗議する


「だって仕方ないでしょ?
本当の事だ」



ぶぅって私は膨れっ面で


「知らない」って髪を撫でるお兄ちゃんの手を弾いて そっぽ向いた