みんな消えてしまえばいい



この公園の中みたいに


たった二人きりになればいい



そうすれば


誰にも言えない この想いも


少しは報われる



それは、なんて自分勝手な願いなんだろう



「姫?本当に………」


うつむく私に


お兄ちゃんが腰を少しかがめて


顔をのぞき込もうとした時




「うん、生命線が長いね」


明るい声を出して


パッと


お兄ちゃんの手のひらを
解放した



「なんだよ、それ」


「手相だよ、手相。
手相を見てたの」



わけが わからないって表情のお兄ちゃんの横を通りすぎ



「さ、帰ってお風呂入ろ」



歩きながら見上げた空に


1つ よく輝く星が見えたから



キラキラ星を鼻歌で歌う



そんな私の後ろを



やっぱり
3歩くらい距離を空けて



お兄ちゃんは ゆっくり歩いてた