お兄ちゃん、ついて来たんだ
「何って
ジャンルジム登ってるんだよ」
そう答えて 振り返り下を見たら
――――――――クラッ
ウソ、意外に高い
顔が強ばって、足がすくむ
とりあえず落ちないように
パイプを掴んだ手に力を入れた
「あれ?まさか姫 怖いの?」
眉をしかめて聞いた
お兄ちゃんに
「こっ、怖くないよ」って
思い切り上ずった声で答えた
「はぁ」
ため息ついて、
一度うなだれてから
お兄ちゃんは
私のところまで登ってきて
片腕でしっかり私の腰を抱き
「おいで」って言った
全て見透かされてるみたいで
恥ずかしくて少し悔しい
「自分で降りられるよ……」
唇とがらせて呟くと
お兄ちゃんは横目でにらみ
「あ、そう」
パッと私から腕を離した
途端に身体が頼りなく
不安になって
「……やっぱり…」
やっぱり助けてくださいと
言う前に
「ジョーダンだよ。
ほら、おいで お姫さま」
さっきより強く私の腰を抱いた
きゅう……って
胸が苦しくなって
お兄ちゃんの肩に抱きついた
地面に足が着いて
お兄ちゃんから離れると
「高いところダメなクセに
バカだなぁ」
クスクス笑って、お兄ちゃんは私の頭をくしゃくしゃに撫でた



