夜、7時30分 駅前で雅哉さんと待ち合わせ 緊張して前髪を何度も触ってると 一台の白いワゴン車が目の前に止まり 後部座席の窓がウィーンって開いて 「姫子ちゃん!」 チャイルドシートに座った楽くんの満面の笑顔が見えた 「楽くん」 私は小走りで車に駆け寄り 「わあ、楽くん元気だった? 咳は出てない? お薬ちゃんと飲んでる?」 そんな私を運転席の雅哉さんは優しく微笑み見つめ 「乗ってください」と言った