どうして芸能人である『秋月伶』が、家賃が安めのこのマンションに住んでいるのかは、よくわからないけれど。 「…芸能人って、もうからないのかな…」 ぽつり、と呟きながら、『秋月伶』の情報を見ていた。 …そういえば、私が『秋月伶』を知らなかったから伶さんは私の申し出を受けてくれたんだろうか。 知ったことが伶さんにバレたら、もう会ってもらえもしないのだろうか。 朝、「おはよう」と、言ってもらえなくなるのだろうか。 …もう、一緒にご飯を食べることは、出来なくなるのだろうか。