電波ヒーロー



「すげぇ、美味いよ。俺、こんなに美味しい酢豚食べた事ないし。」

「ほめすぎだって…」

「や、ほんとに。すごいおいしい。」




冷静に考えてみれば、すごく違和感のある光景だと思う。

昨日までただの隣同士に住んでいるというだけの間柄だったのに、今はこうして向き合ってご飯を一緒に食べているなんて。


向かいに座って、私が作った酢豚を絶賛する伶さんを見ながら、不思議な感覚だった。


…まぁ、喜んでくれたから、いいか。

自分が作ったものを、美味しいと言って食べてもらえるのは、やっぱり嬉しいことだし。