秋月さんはといえば、私の言葉を聞いてきょとんとした顔をして、それから少し哀しそうな顔になった。 「…僕、今まで彼女にお菓子が作れるなんて言ったことないんですよ」 「っえ?」 「気持ち悪い、とか言われたらへこみますし。 …家族以外に食べてもらったのも、打ち明けたのも、十波さんが初めてです。」 「……。」 「って、すみません。俺、…じゃなくて、僕、べらべら喋りすぎですよね。」