…怒ってるわけじゃないんだけど。

恥ずかしいだけなんだけど。


リビングまで歩き、伶の方に振り返った。




「…そんなに否定してると、怪しいよ」

「由佳ぁ…」

「あー、ごめんごめん、冗談だって」


私の言葉を聞いた伶が少し泣きそうな顔で私を見てくるから、慌てて今言った意地悪を否定した。

それを聞いた伶は、少しほっとしたような表情を見せ、私をぎゅっと抱きしめてきた。


それに応えて、私も伶の背中に手をまわしてぎゅっと抱きしめた。