…どんな会話をしたかも、覚えていない。

むしろ、一言も喋らなかったかもしれない。


それすら、覚えていない。




「…久々に男の人に触られたから、かな…」


秋月さんのごつごつした感じの骨ばった手が、『男の人』を感じさせた。

触れられた方の手を見つめ、まだドキドキしている心臓を落ち着かせようと深呼吸をした。