反射的にうん、と言ったはいいものの、引っ越さないことにするって、…それでいいの?

そんな私の気持ちを読んだように、伶は続けた。




「まだ引っ越し先も決めてないし、事務所にも言ってなかったし。由佳と付き合えるなら、ここにいる。 引っ越したら、堂々と由佳の家に来れなくなっちゃうしね。」

「…よかった、」

「俺が引っ越さなくて?」

「…わかってて聞くの?」

「うん」


にこにこしながら言う伶に少し呆れた表情を浮かべながら、恥ずかしくて目線をそらした。