頬から唇が離れると、伶さんと目が合って、どちらからともなく唇を重ねた。

さっきみたいに無理矢理じゃなくて、優しいキスだった。


私が苦しくなって伶さんを軽く叩いて合図をすると、唇が離れて、すぐにまた重なった。

それを何度か繰り返した後、伶さんにぎゅっと抱きしめられ、それに私も伶さんの背中に手をまわして応えた。




「…由佳、」


いきなり呼び捨てになって、心臓がはねあがった。

名前を呼ばれて顔を上げると、伶さんと目が合った。