「…あれ。」 仕事を終えて、帰り道。 いくら日が長くなってきたとはいえ、9時は過ぎているから、もう辺りはすっかり暗くなっていた。 街灯の多い大きな通りに面したマンションを選んで正解だったな、といつも思う。 今は何がおこるかわからない世の中だし。 …そう、本当に何がおこるかわからない世の中だ。 ふと前を見ると、何メートルか先を歩く人が、秋月さんにそっくりだった。 いくら隣だからって、ここまで頻繁に会うってある意味すごい。