しばらくして口が離れて、体も少し自由になったとき、ようやく言えた言葉は日本語になっていなかった。 息を荒げている私の目の前にいる伶さんは、たしかに伶さんなのに、なんだか別の人に見えた。 …それくらい、いつもと雰囲気が違っていた。 そこから逃げ出したくなるほど、怖いオーラを発していた。 息ひとつ乱さず、ただ私を見ていた。 「……これからもっと最低なことを、するよ。」 口元が嘲笑うかのように歪んで、伶さんはそう言った。