電波ヒーロー



時々茉莉の話に相槌を打って、ご飯をもぐもぐと食べて、お茶を口に流し込む。


茉莉の話はもうほとんど頭の中に入ってこなかった。

私は一人、自分の世界に入っていた。




少し近付けた気がした、抱きしめられた瞬間。

現実感が無かった、伶さんの告白。


…それはたしかに現実で、事実なのに。


そして、私が伶さんをフッたのも、変わりはしない事実。