「…秋月伶が主演のやつしか見てないよ。」 「そうなの?…ってことは、あの雑誌、やっぱり秋月伶目当てで買ったでしょ!」 「…別に、ドラマ他にも見たいと思ったから買っただけだよ」 …伶さん目当てで買ったことを言ったって、別にそれで話は済むと思うけれど。 なんとなく、そう言いたくなかった。 そう言ってしまうと、私が好きなのは、隣に住んでいる『伶さん』じゃなくて、芸能人の『秋月伶』になってしまいそうだから。 …私はあくまで、隣に住んでいる伶さんが好きだから。