伶さんを手に入れたいと思っているくせに、私は手を伸ばそうとしなかった。




「伶、…さん。」


好きです、と一言そう言うだけでいいのに。




その一言を言うのに、

一歩を踏み出すのに、


こんなに勇気がいるなんて。