「…あ、すみません。わざわざ挨拶に来てくださったんですよね? これからよろしくお願いします。」 「えっ、や、こちらこそ…、あ、これ、たいしたものじゃないんですが、よければ…」 「あ、わざわざありがとうございます。」 「いえ、では、失礼します。」 ぺこり、と丁寧にお辞儀するアキヅキさんにつられて、私もお辞儀した。 アキヅキさんはすたすたと自分の部屋に戻っていき、ぱたんと部屋の中に消えていった。 なんとなくそれを見届けてから、私は自分の部屋のドアを閉めた。