美稀は顔が赤くなったのに気付き、うつむいた。

「俺とあたってそんなに痛かったか??」

智也は勘違いをしだした。

「あっ、ちゃう!」


「そらそぉや。痛いトカ言われたらこっちも困るわ」

智也は笑いながら言った。


「智也、このあと用事ある??」

いきなり、アヤが聞き出した。


「別にナイけど、こいつらおるし」


「あっぢゃぁ、美稀、あたしら帰るわ!野球部の人も、行こう!」


「はッ!?」


美稀は驚いたケド、すぐに黙って見送った。


智也がこっちを見てる・・・。



「久々にしゃべるなァ」

「そやな…」

「なんか、落ち込んでナイか??」

「そォ?なんもナイよ…」

さりげなく聞いてくれる、智也は今の美稀にとって、これほどうれしい事はなかった。


私、智也の事まだ好きやわ……

美稀は気付いた。


あきらめられへんわ。