「せっかく先生から貰った鍵で初めてドアを開けようと思ったのに……。」



私は鍵を見つめながら話す。



「また、次に来るまでの楽しみにしておけばいいじゃん。明日でもいいし。」



先生は微笑んだ後、私の手を握って部屋へと連れていってくれた。



ソファーに二人並んで座るとテーブルの上に置かれた小さな紙袋が目に飛び込んできた。



「なんですか?この袋…」


「北海道のお土産…のつもりで買ったんだけどさ…。」


先生は少し口籠もりながら答える。


「開けて…いいですか?」

先生が頷いてくれたので、わたしは紙袋を太ももの上にのせると、中に入っている箱を取り出した。