先生にキス〈3〉

先生の横顔をチラッと見てから、私も欄干に手を置いて、少しだけ乗り出すようにして運河を見つめた。




先生と話をしている時間は、穏やかで温かくて…



こんなに心地よく感じるんだ……。



そう思った時……




“ポタッ……”



頬に熱いものがつたって、手の甲に落ちるのを感じた。



うそ……



今の……涙…?



自然に零れ落ちた涙に、私自身とても驚いてしまった。