「綾月先生!おはようございます。さあ、どうぞイスに掛けて下さい。」



キッチンにいたお母さんは、ニコニコしながら先生を出迎える。



「おはようございます。午前中からお邪魔してしまって、すみません。」



先生は律儀にお辞儀をすると、“失礼します。”と言ってイスに腰掛けた。



先生に対面するようにして、お母さんは座る。



えーっと私は……



「幸歩、何キョロキョロ見てるの?幸歩は先生の隣に座りなさい。」



お母さんは、微笑みながら先生の隣のイスに目を向けた。



「うん…。」



私は、慌てて先生の隣に座る。



その姿を見ていた先生は、優しく微笑んでいた。