先生にキス〈3〉

「和丘さん、まだ帰ってなかったんだね。」



並木君は私の所に駆け寄ってくる。




「うん…。さっきまで、友達と話してたから…。」



私は、並木君の視線が先生のまだいる教室に向かないよう、少し歩きながら答えた。



「そうだったんだ。今日はもう会えないと思ってたから、びっくりしちゃったよ。」



私の隣で並木君は、嬉しそうに笑う。



こっちはそれどころじゃないよ……。



並木君、み……見てないよね…?