「また誰か来るとマズいので、今のうちに帰ります。」



「そうだな。俺は戸締まりをしてから出るから先に出ていいぞ。」


先生は、ポンと私の頭の上に手をのせる。



「また明日、学校でな。」


私が頷く前に、先生はおでこに軽くキスをした。



最後の最後まで、ドキドキさせる先生に顔は熱くなりっぱなし。



私は照れくさくて、挨拶がわりにお辞儀をした。



教室を飛び出した私は、“ふう…”と大きく深呼吸した。


“もうピンチは切り抜けたんだし、大丈夫…。”


目を閉じて、そう自分に言い聞かせて胸を撫で下ろす。







「あれ?和丘さん?」