「そりゃ綾月先生のことは好きだけど、憧れとか良い先生って意味で好きなだけで、幸歩みたいに恋愛対象として好きなわけじゃないよ。」



梗子は微笑みながら、私を見る。



「わ…私だって最初は先生のこと、そういう対象として全く意識してなかったよ。むしろ嫌いだったのに…。」



「今では、先生のこと愛してるもんね!」



「あっ…愛…!?」


顔が熱くなって、私は思わず言葉を噛んでしまった。


「な…何言ってるの!?梗子ってば。」



恥ずかしくて、胸の奥まで熱い。



「幸歩は綾月先生のことになると、反応が本当に可愛いね!」



ベランダの手すりに手をかけながら、梗子は空を見上げた。