「そう思ってたのよ?


なのに

私まで幸せになった


私、本当は死ぬんだ
って思った。

でも、
目の前には美咲がいる。

美咲が居たから“生きてる”
今、“生きてる”

ときどき思うの。

心臓の音が聞こえると

母が、美咲が、



「お前なんかいなきゃよかったのに。

幸せになれたのに。

お前のせいだ」



私、もう私のせいで人を不幸にしたくない。

だから

美咲が私といるのつらいんじゃないか

って考えた。

でも、

美咲のこと大好きすぎて、
離れられなかった。


だから、
つらくても我慢しよう
ってきめたんだよ。

美咲の近くに居るために。




美咲が“私のせいで幸せになれない”なんて考えられない。





ごめんね。

私の我侭で。」





話を終わるころには

琴音は

窓の外を見つめてた視線を

俺に向けてた。