思いっきり起き上がった。
勢いあまってベッドから転がり落ちる。
「痛てぇッ・・」
すぐさま目覚まし時計を確認する。
「やっべぇ!!朝練送れるッッッ」
勢いよく立ち上がった。
「部活,辞めたんだっけ」
この夢を何度見てきただろうか?
額の汗を拭った。
あの試合の後俺は退部した。
最後の一年頑張ればいいなんて
キレイゴトを顧問は言っていたが
俺には責任を取らなければいけない。
正直なところは「逃げ」だったのかもしれないが。
「ちょっと!いつまで寝てるの!?」
下からうるさい声が聞こえる。
ゆっくり俺は部屋を出た。
リビングに入ると忙しそうに歩き回っている母親。
「ねぇーもう早く支度してよ!お母さんもう仕事行くからッ!!」
母子家庭の家は朝から何だか騒がしい。
うるさい母親から生まれた息子の俺はというと・・
祐也―ユウヤ―
背は高く
髪はブラウンで自然に髪の毛先が
少しはねていることがある。
母親と2人で暮らしている。
つい最近野球部を辞めた。
好きな曲を聴きながら家を出た。
太陽がギラギラと光っている。
蝉がミンミンと叫んでいる。
携帯を開く。
「ヤバイ,完璧遅刻だろ」
そうは感じていたものの走ろうとしない自分。
もういいやとでも思っているのか。
だるくなってゆっくり歩いていた。

