いつものベリルじゃない。そんなに相手の組織は悪いのか……彼の醸(かも)し出す存在感が変わったことに息を呑んだ。

 犯罪組織なんて数えればきりがない。

 そんなものにいちいち怒っていたのでは神経が持たない……ベリルはそう言いながら輝くエメラルドの瞳を曇らせる。

 彼に何があるのか──それは誰も知らない。

「ライカ」

「! なに?」

「どうするね」

「なにを……」

 ライカを一瞥して続ける。

「お前も参加するのか」

「あ、おう」

 呆然としたまま応えたライカに小さく笑った。