「彼のためにも、今の仕事は辞めるべきだとは思わないかね」

「!?」

 3人はそれぞれに驚いてベリルを見やった。

「ベリル、なに言って……」

 聞き返したライカに見向きもせず続ける。

「お前はケビンが身を滅ぼす事を望むか」

「だからどういう意味だよ!」

 意味の解らないライカは声を張り上げた。

「運び屋という仕事は大金と命を交換するものだ」

 ベリルは声を低くして険しい表情を浮かべる。

「運び屋!?」

 ライカは目を丸くしてマーフィを見つめた。

「……」

 男はケビンをギュッと強く抱きしめる。

「彼が運んでいたのは小麦粉ではない。マイクロSDもその中にあったのだろう」