互いにゆっくりと歩み寄り、1人の男が後ろ手に手錠をかけられている父親を半ば引きずって前に進む。

 ほぼ同時に手を出す──しかし男はペンダントを奪って父親をグイと引き寄せた。

「!? 父さんっ」

 その刹那、一斉に武器を手に持ち銃撃戦が開始されライカは慌てて少年を担ぎ盾になる場所に移動した。

「ベリル!?」

 たじろがずに撃ち続けるベリルの姿が映る。

「なにしてるんだ!」

 セシエルが死んだ時の光景が脳裏に甦り体が強ばった。

「ベリルーっ!」

 彼の叫びにも反応せずベリルは立ち止まらずにハンドガンを構え相手に照準を合わせつつ撃ち続けた。

 そうして彼が止まった頃……相手の男たちはうずくまって唸りを上げていた。