3人は指定された廃工場を訪れた──中に入ると数人の人影が見える。

「! 父さん!」
「ケビン!」

 顔を腫らした男が叫ぶと他の男が強く揺らして制止した。

 10mほど離れた場所で立ち止まる。

「持ってきたんだろうな!」

「それが何なのか解らないのでね。探せずにいるんだ」

 ベリルが肩をすくめて発するとしばらく沈黙し、おもむろに……

「マイクロSDだ。ガキが何かに入れてるハズだ」

「! マイクロSDか。ケビン何か持ってるかね?」

「え……知らないよ」

 白々しいやりとりにライカは眉をひそめた。