レストランで時間を潰している間、そわそわして落ち着かない。

「父さん」

 ケビンは嬉しくて待ちきれなかった。

「手順は怠るな」
「大丈夫だって」

 ベリルが念を押すように発すると少年は笑顔で応え何も入っていないコップのストローをしきりにすする。

 ウエイトレスを呼んで新しいジュースとコーヒーを注文した。

「なあ……」
「なんだ」

「なんでこんな回りくどい方法取るんだ? ボスのトコ行って、脅しかければいいじゃないか」

 怪訝な面持ちで問いかけるライカに彼は運ばれてきたコーヒーを傾けて口を開く。

「父親を助けるまではお前の仕事だ。その先は私の仕事なのだよ」

「え?」
「そろそろ時間だ」

 ベリルはそう言って立ち上がる。

「あ……っ」

 どういう意味なんだ?