「そろそろルカから連絡が入る頃だろう」

 誤魔化すように電話を手にすると携帯が小刻みに震えた。

「どうだ……ふむ、すまんな」

「どうだった?」

 携帯をバックポケットに仕舞うベリルに問いかける。

「組織は解ったがケビンの父親が捕まっている場所はまだだそうだ」

「そうか……」

 この短時間で組織を探り当てた事には感歎するよ……相変わらず仕事の早いルカに感心した。

「これからは私も同行しよう」

「!? いいのか?」

「私の名を出してしまったからな。本人がいないのではいかんだろう」

 言って微笑んだ。