「ああ、それと」

 ベリルはさらに付け加える。

「少年の父親を殺したらとんでもない事になるよ。と伝えておいてくれ」

 にっこりと笑って手を軽く振り歩き出した彼の後を2人は追う。

「あ、あれで良かったのかよ」

「構わん。こちらもこちらで動いている」

「え……?」

「私がただ見物していただけだと思ったのかね? ルカに連絡して彼らの組織を探ってもらっている」

「! ルカ……『探し屋』か」

 世界の情報を掌握しているプロの探し屋──相手は人でも組織でもなんでもござれだ。

 そのぶん高額だが、確かな情報を提供してくれる。

 さすがだと言いたいが、ライカは目を据わらせた。

「でも……見物はしてた訳だな」

「……」

 その言葉に目を泳がせる。