「小麦粉って言ってたな」
「うむ」

 会社を離れレンガ敷きの補導を歩く。

「処で」
「何……?」

 聞き返したライカに親指を後ろに示した。

「どうやら彼らの狙いはケビンらしい」

「!」

 視線だけ入るように軽く振り返る。角の所で、こちらの動きを見つめている男が2人いた。

「本人たちに聞くのが一番だろう」

「だな」

 言ったライカに“シュタ!”っと手を軽く挙げる。

「まあ頑張れ」
「……へ?」

 しばらく呆然として、遠ざかっていく青年を呼び止める。

「ちょっ……!? 待てよベリル!」

「サポートくらいはしてやる。しばらく1人でやってみろ」

「おい……マジかよ」

 1人でやってみろって……どうやって? 安心しきっていたライカはどうしていいか解らずにオロオロした。