ちなみに、今、僕は16歳。
タイムリミットは、あと2週間。
僕の17歳の誕生日、それが、僕がこの世から消える日。
出来れば、それまでに自分がやり残した事をしておきたいな、とか
思ったりしている。
でも、僕には、何をし忘れたのかが分からない。




























フラフラと、あてもなく彷徨っていると、
不意に、電光掲示板に映像が映し出された。



「私は、地球環境問題について、これは一人の力ではなく、
 皆が一人一人力を合わせて解決していくべき問題だと考えます。
 村から町へ、町から地域全体へ、地域から他の地域へ、
 そして、それが広がり、やがて国全体へ、環境保護運動を拡張させ、
 最終的に世界規模で取り組む事が出来るようにするのが、私の理想です。
 そのためには、皆さんの協力が、・・・・・(以下略)・・・であり、
 私はまだ党首として未熟な面が多々ありますが、今暫くお時間をいただきますよう、
 ご理解をお願い申し上げます。
 それでは、報道陣の皆様、本日はありがとうございました。」




映し出されたのは、一人の女の子が会見をしている映像だった。
まだ幼いのに、こんな事をしていて辛くないのだろうか……。
そう思って、彼女の表情をよく見てみた。
すると、一見しただけでは分からないけど、瞳には輝きがなく、
言っている事は隙がなく貫徹しているが、あまり良い感情は窺えなかった。
そして、やがて、映像は途切れた。
























…………彼女は、自分の意志でやっているわけじゃないのかも……。
漠然と、そう思った。