「俺…感情とか顔に出すの苦手なんだよなー…」
ゆっくりと話す良太。
こんなに話す良太を見るのは久しぶりというくらい2人の間には亀裂が入っていた。
流れ星の奇跡か…
今、2人の溝はだんだんとなくなっていった。
香織はさっきの良太の言葉について考えていた。
それはあたしの事、嫌ってるのにあたしが気付いてないって言いたいの?
それとも…あたし期待してもいいの?
「いっつもお前が好きとが言ってくれっから安心して。香織は離れてかないって勝手に決め付けてた」
話し続ける良太の声は震えているようだった。
周りの人には聞こえない音量で話す良太の声が香織の耳に響く。
涙がもっとあふれていた。
良太のシャツを香織が掴む。
掴んでいないとどこかに行ってしまうような感覚に襲われたからだ。

