そんな事を考えていると、背後から背中を指でつつかれた。
「ねぇ
私、草抜 亜佐美…
亜佐美って呼んでね!!
あなたの名前は?」
余りに唐突な出来事に若干驚いたが―
「わ、私は
磯辺 京子…
普通に地味な京子…」
「あはは!!
地味な京子ってどんな感じよぉ?
面白いね~
じゃあ
京子って呼ぶね」
「そこ!!
うるさいぞっ!!」
先生の怒声が教室に響き渡る―
「はーいすいません」
私に初めて出来た
名前で呼び合う友達だった。
見た目とは裏腹に気さくな人柄で、見た目の華やかさもあり―
あっと言う間に
亜佐美はクラスに溶け込んだ。
それでも亜佐美は
目立たない私を名前で呼び、いつも引き立ててくれた。
私は少しずつ
学校に行く事も楽しくなり、性格も明るくなってきていた。
そんな日々が続いていた9月の終わり頃―
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