小さくなる亜佐美の後ろ姿を、成す術なく見送った後―
私は力無くフラフラとバス停へと歩いていた…
キィ
「あら
あなたは昨日の―」
自転車に乗った女性が私の少し先で止まった。
誰?
立ち止まってよく見ると、ネットカフェの女性店員だった。
「どう?
昨日の情報は少しは役に立った?
私はあれから
サボり過ぎてたからマネージャーに怒られちゃった…
ははは」
私の反応に様子がおかしいと思ったのか、顔を覗き込んできた。
「どうかしたの?」
私はこのままだと、最終的に亜佐美を犠牲にしてしまうだろう…
その前にどうしても、確かめておかなければならない事があった。
私は顔を上げると聞いた。
「渚さん…
江藤さんの自宅って、何処にあるか知ってますか?」
私は直接この目で確かめておきたかった…
"本当に私じゃないの"
という言葉を―。
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