バスを下車し

最近開通した街中の通りを5分程歩いた所に、私の通う県立崎山高校はある。


一応進学校で
創立51年という伝統校でもある。



増築を重ねて来た様子が伺える、新旧バラバラの校舎。

私達3年生は、校門を入り右手の新校舎だ。

このグレーのコンクリート造りの建物の3階に、文系の5組がある。

そこが私の教室―



ガラガラ…


「おはよう…」


「あー
磯辺さんおはよう」


「おはよう…」


「磯辺さん久しぶり」


窓際の後ろから2番目の席に座る。


みんな"さん"付けで私の事を呼ぶ。

名前を呼び捨てにしてくれる様な、仲の良い友達なんて私にはいない…


私がFに入り浸るのも、リアルに友達がいないからなのだろう。



そんな時―


教室の入口付近から声が聞こえた。


「翔子おはよう!!
で、あれからどうなったの~?」


「翔子久しぶりね~
元気だった?
この前メールしたのにぃ」



.