そう言うと
ロッカーから携帯電話を取り出して来た。
「一緒に撮った写真があったと思うんだけど…」
携帯電話を開いて忙しそうに指を動かす…
携帯電話のデータを探している様だった。
「あっ
あったあった―
今年の始め位に店の外で一緒に撮ったんだよ」
彼女は手にした携帯電話の画面を私の方に向けた。
――――!!
その瞬間
私の中の色々なモノが、ガタガタと崩れていく音が聞こえた―
信頼、友情、心
携帯電話の画面に映しだされていたのは、紛れもなく…
あの黒いワンピースの女の子だった―!!
江藤さん…
彼女は亜佐美を待っているんだ。
裏切られた恨みと哀しみを引き摺りながら…
登録生年月日を頼りに、亜佐美が誘い込まれるのをずっと―
私はその写真を見て、更に分からなくなっていた…
いや
もう亜佐美を信じられるはずもなかった。
「何か思い出したら連絡するから」
メールアドレスの交換をして女性店員と別れ家路に着いた。
.



