ハッとして振り返ると、黒い制服姿の若い女性店員が立っていた。
店内でコソコソと聞き込みをしていたのがバレたのか―
「あなた香織ちゃんの知り合い?」
香織…ちゃん?
「い、いえ
そういう訳では…」
「そっかー…」
その女性店員は残念そうに溜め息を吐いた。
「最近見掛けないのよねあの子…」
私はその言葉を聞いて、思い切って尋ねた。
「し、知り合いなんですか?」
女性店員は私の方を向くと、余りに真剣な表現の私を見て少し笑った。
「知り合い―
って言うか
香織ちゃんは常連客だったからね。
自然と親しくなるわよね」
「彼女はそんなによく来てたんですか?」
「うーん…
そうね
ほぼ毎日の様に来てたかなぁ
もう当分見てないけど…」
女性店員は急に真顔になり私に尋ねた。
「あなた誰?」
私は聞きたい事があったので、江藤さんが自殺した事と理由を話した…
女性店員はその話を聞くと、私の手を取り休憩ルームに連れて行った。
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