放課後―
私は駅のトイレで持参した私服に着替えると、昨日追い返された会員制ネットカフェに向かった。
少し緊張気味にエレベーターを降りる…
「いらっしゃいませ
御利用は初めてですか?
こちらの申込書に……」
今日は大丈夫そうだ―
私はホッと胸を撫で下ろした。
中に入ると、
他のネットカフェとは違い確かに調度品一つとってもシックで上品だった。
学校の体育館程の箱型の店内にはパソコンと単行本等の書籍が並び、20名程の人が見えた。
昨日会ったフェリーヌ女学院の生徒の話だと、結構ここに顔を出していた様子だし…
江藤さんを知っている人がいるかも知れない―
私は店員に隠れ、常連客風の人達に声を掛けていった。
「江藤 香織って女の子を知りませんか?」
しかし―
店内の客全員に聞いても知っている人はいなかった…
それはそうだ―
ネットカフェに、他人に直にコミュニケーションを取ろうとする人がそんなにいるはずがない。
諦めかけていた時
背後から肩を叩かれた…
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