「はい…」
左手で渡されたケチャップを掴んだ。
食卓の上にポタポタとケチャップが落ちる…
ケチャップ…?
渡された物を確認しようと左側を向いた時―
そこに
あの黒いワンピースの女の子が立っていた!!
握っているのは、血の滴る彼女の右手だった―!!
すぐ側に母がいるのに声も出せない―
黒いワンピースの女の子は、薄ら笑いを浮かべると私の頬に自分の頬を擦り寄せた!!
そして
また耳元で囁く…
「さっき鏡で見たでしょ…
もうすぐあなたの首は真紅に染まる…
そして
あなたは死ぬのよ…」
私はただ
彼女の成すがまま
抵抗出来ずに硬直して震えていた―
今度は前に回り込み、血に染まった手で私の頬を触りながら続ける…
「さぁ早く…
早く招待メールを送信しなさい…
あなたの生命があるうちに…」
「京子何か言った?」
母が不意に、食卓の方に振り返った。
「か、母さん…」
気が付くと
黒いワンピースの女の子は消えていた―
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