エージェント・レイ‐狂人の島‐

標的変更。

大男は、咆哮にも似た叫び声を上げながら、小走りにレイに接近する。

両手で保持したチェーンソーを、振り下ろし、斬り上げる!

大型のチェーンソーはそれなりに重量があるというのに、まるで剣でも振り回すかのように、軽々と扱う。

市街地で遭遇した暴徒達とは筋力が違った。

普段から林業や採石などの重労働に従事している分、肉体的にも優れているのだろう。

そんな人間が、理性も平静時の判断力も失っているのだから始末に終えない。

レイはひたすらに、大男の振るうチェーンソーを回避する事に集中する。

只の刃物ではない。

かすめでもしたら、即致命傷になりかねなかった。