エージェント・レイ‐狂人の島‐

細い山道、私とレイを分断するような形で、大男は仁王立ちする。

血飛沫の飛び散った衣服、野太い腕。

屈強そうな体つきから見るに、この山で採石か林業を営みながら暮らしていたのだろう。

顔が隠れてしまうほど過剰に巻かれた包帯には、血が滲んでいる。

暴徒に襲撃されて傷を負った後、自らも暴徒化してしまったのか。

それとも暴徒化した後に傷を負い、自ら傷の手当てをしたのか。

どちらかはわからないものの、表情を隠したその血染めの包帯は、大男の異常性と凶暴性を余計に際立たせていた。

その包帯の隙間から覗く、あの白濁した眼…。

「アシュリー、絶対に奴に近づくな」

レイが銃口を大男に向けたまま言う。

「俺が奴を仕留めるまで、身を潜めているんだ」