エージェント・レイ‐狂人の島‐

廊下を走る。

だがこの複雑な構造だ。

時には来た道を引き返す事もあり、脱出は儘ならない。

やがて。

「チッ」

レイが舌打ちする。

警察署に侵入してきた暴徒達の群れ。

その足音と唸り声が近くなってきた。

徐々に距離が縮まってきている。

早く署内から脱出しないと、暴徒の群れに追いつかれては多勢に無勢だ。

「アシュリー」

決して動揺を見せないように、レイは冷静なまま言う。

「もし追いつかれたら、俺に構わず君は逃げろ。自分の身の安全を最優先に考えるんだ。いいな?」